山と森で

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Bライフの模様、雑感などを綴ります。小さな暮らしを目指しています。これから開墾始まります。

2018.9.10-13 後立山連峰縦走 4DAYS DAY3(唐松岳〜白馬鑓ヶ岳〜白馬岳〜白馬大池)

後立山連峰縦走3日目。今日は不帰キレット越えが待ってるよ。不帰だなんて不吉なネーミングだ。

 

無事不帰キレットを越えたら白馬岳まで行くことは決めていたが、そこから先、どこまで行くかはペースや時間、天候、気分次第。

 

今のところ選択肢は4つ。展望が良さそうな白馬頂上荘で泊まるか、翌日の下山が楽な白馬大池まで行くか、頑張って朝日小屋まで行くか、それとも今日中に栂池自然園まで行って下山しちゃうか。 

 

 

5時半ごろ、唐松岳頂上で日の出の時間に合わせて出発。昨日から合わせると3度目の唐松岳頂上から朝日を眺める。 

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山肌が朝日に照らされてほのかに赤く染まり、くっきりとした陰影を浮かび上がらせる。やっぱり山は晴れた日の朝が一番良いよね。

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朝日によって遠くの山に手前の山の影ができ上がる。

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 十分ご来光を堪能したので、不帰キレットへGO。ヘルメットをがっちり装着。

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垂直気味の岩壁や、足幅が狭いトラバースなどを、鎖や両手両足を駆使しての登り下りが連続する。滑落しないよう慎重に身体を運ぶ。足の置き場、掴む場所などを考えながら登り下りするのは楽しい。ボルダリングもきっとこんな感じで楽しいのだろう。

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ここら辺が一番危険で怖かった。写真じゃ伝わりづらいが、崖の間にハシゴを通してあるが、掴めるのはぶらんぶらんした鎖のみ。バランスを崩して谷側に落ちようもんならあっという間にサヨウナラ。

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不帰キレットは無事通過できた。集中していたせいかあっという間の感覚。不帰キレットは八峰キレットよりも難度が高いと思う。八峰キレットは危険箇所が1、2箇所でそこを集中すればよいが、不帰キレットは、危険箇所が連続するので集中力が途切れたり肉体的疲労が増しやすい。

 

 

不帰キレットを越え、天狗の大下りをひいこら言いながら登るとそこから先は天国。今までの厳しい岩稜帯とは対照的な緩やかな稜線!曇りがちな天気が少し残念だが、難所をクリアした開放感とこれから待っている稜線歩きに血湧き肉躍る。

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8時20分、予定より早く天狗平に到着。小屋は改装中でテント泊のみ、売店はやっていた。ここからは白馬岳、杓子岳、鑓ヶ岳の白馬三山が待っている。

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最初は白馬鑓ヶ岳。大した登りではないのだが脚が重い。久しぶりのテント泊装備を背負っての縦走のせいなのか、岩稜帯を登り下りしたせいなのか。邪魔臭いのであまり好きではないが、ストックを取り出し脚への負担を減らす。

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9時10分、白馬鑓ヶ岳に到着。山頂付近はガスに包まれ展望なし。ここら辺から少ないながらもハイカー達とすれ違うようになってきた。

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鑓ヶ岳をパスし、お次は壁のようにそびえる杓子岳。元気があったら登っていたかもだったけど巻道があるので当然巻くよね。

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右手奥に見えるは白馬岳。頂上はずっと雲にかかったままだった。下りやフラットだと快適に脚が進む。

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10時20分、当初宿泊を予定していた白馬頂上荘に到着。あまりに早すぎるので、次へ進むことにした。この時は朝日小屋まで行こうと意気込んでいた。

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白馬頂上荘から少し登ったところにある白馬山荘に到着。少し寒かったし、お腹も減っていたので、白馬山荘でラーメンかカレーなんか食べたいなと思って重たい足に鞭打って登ってきたのだ!

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白馬山荘のレストランは超綺麗。ちょっとしたホテル並み。

そしてメニューだ。カレーもラーメンもある!一刻も早く糖質と温かいものをお腹に入れたかった。

 

がが、なんと、昼食メニューの提供は11時30分からだって。現在時刻は10時55分。やる気のなさそうな大学生とおぼしき店員に(気持ちがささくれだっていたのでそのように見えました)時間前だが提供可能か聞いたが無理とのこと。

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しょうがないので軽食メニューにあったおでんを頼んだ。もちろん美味しかったのだが、カレーやラーメンを想定していた旅人の胃袋におでんは少しあっさりしすぎだ。

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標識が凝っている山荘は良い山荘。ラーメンを食することは叶わなかったが、白馬山荘はとても綺麗で広く、快適そうな山荘だった。

気を取り直して白馬岳に登る。

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11時10分、白馬岳に到着。ガスが少し晴れて展望に恵まれた。

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山頂西側(富山県側)にある旭岳。富山湾もはっきり見える。こちらの方角は清水尾根が続き、祖母谷温泉欅平へと至り、劒岳まで足を伸ばすことができる。いつか行ってみたいルートの一つ。

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南側はこれまで歩いてきた杓子岳、白馬鑓ヶ岳。

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北側はこれから進む予定の雪倉岳朝日岳方面。穏やかな稜線が続くとどこまでも歩きたくなる。

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次にあるテント場はコースタイム6時間30分くらいの朝日小屋か、2時間30分くらいの白馬大池だ。コースタイムの7割くらいで歩ければ、4時頃には朝日小屋に間に合いそうなので朝日小屋を目指すことにした。

 

そう思い白馬岳を下っていくと、寒さでお腹が冷えたのか、上品なおでんが効いたのか、急に猛烈な便意に襲われた。白馬山荘に戻ろうかとも思ったが、来た道を戻るのも面倒くさく、また歩いていれば便意もおさまってくるだろうと思い先へ進んだ。が、全然おさまらない。むしろ悪化の一途。

 

朝日小屋までは絶対持たないと確信し、方針転換、目標を白馬大池に変更。ゆっくりと、腸に刺激を与えず、なおかつ迅速に行動するという、思いがけず非常に困難なタスクを課せられた。無事遂行して人間としての尊厳を守れるだろうか。

 

三国峠の分岐で、行くはずだった雪倉岳方面に後ろ髪を引かれつつ、小蓮華山方面へ。後日写真をみていい稜線だなあなんて思うが、意識は身体(主に大腸)に集中しているためここら辺の景色には印象がない。マインドフル!

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12時20分、小蓮華山に到着。ここで小休止していると便意もいつのまにか小休止していて安堵。

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しかしいつあいつが復帰してくるかわからないので、足早に白馬大池(という名のトイレ)を目指す。しばらく歩くと池が見えてきた。目的地が視認できて少しホッとするが、小学生がトイレの前まで来たのに安堵でおもらしをするという教訓を思い出し、再度気を引き締める。

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13時30分、白馬大池に無事到着。タスク遂行。

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スッキリしたら、フラットで広々としたテント場にツエルトを張る。ここは基本ペグで設営。テント場からの景色はあまり良くない。トイレはわりと綺麗。

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この旅初めてのビール。500円なり。明日は下山のみなので、おつまみ兼行動食として持ってきたするめを食べ尽くす。テント場は自分も含め3張りで静かに過ごせると思ったが、後々、白馬からインターナショナルスクールの学生たちの団体が大挙して来たため、非常に賑やかになった。

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しばらくすると雨が降ってきて、朝方まで降ったり止んだりのあいにくの天気。

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夜ご飯は、ビバークレーションのカレー味と乾燥野菜をただお湯で戻しただけの汁。汁は滋味深いといえば滋味深いが正直味噌が欲しい。味わうというより栄養補給と割り切った。ビバークレーションのカレー味は初めて食すが、少しパンチが足りない気がした。今度買うときは他の味にしよう。

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今日も歩いている最中は天候のくずれもなく、岩稜帯、稜線歩きを楽しめた。

明日は下山だ。時間が許す限り歩いていたい。

 

続く