2018.12.21 初冬の金峰山をローカット防水トレランシューズとスパイダーで登ってみた
冬になり寒さが厳しくなると体を動かすのが億劫になる。山にもしばらく行っていない。
北杜市でも今年何度か雪が降り、八ヶ岳、甲斐駒ケ岳、金峰山などの近辺の山頂付近は白く輝くようになった。
今年こそ冬山をと思うが、装備を揃えるのにコストがかかること、寒いのが嫌いなこと等の理由でまだチャレンジできていない。
いきなり本格装備を揃えるのはちとハードルが高い。高い目標をクリアするには小さい目標を設定して順々にクリアしていくのが王道だ。
冬山登山のファーストステップとして、今所有しているアイテムで、様子見冬山登山をしてみることに。もしかしたら寒くないかもしれないし、雪も大したことないかもしれない。百聞は一見に如かず。
様子見冬山登山の対象として選んだのは金峰山。家から近いっていうのが主な理由。冬山登山入門で有名な北八ヶ岳でもよかったが少し遠い。せっかく行ってダメでしたって戻ることになったら嫌なので。金峰山なら家から車で20分とかからず登山口に取り付ける。
冬山に必要な装備、それはアイゼン、ピッケル、ゲイター、ウインターシューズなどがある。
アイゼンは持っていない。アイゼンを装着できるウインターシューズもない。が、簡易アイゼンはある。
ピッケルは低山であればなくても行けそう。
ゲイターはモンベルの短いやつがある。
靴は、アルトラのトレランシューズしかない。しかし、所有しているアルトラのトレランシューズは、ローカットであるが防水性があるので雪山でも有効だと思う。
この足回り装備で初冬の金峰山に臨む。ダメそうなら途中で引き返そう
ちなみに、簡易アイゼンは夏の北アルプスの残雪対策の保険として買ったグリベルのスパイダー。ペア155gと軽量で携帯性も良い。つま先やかかとに爪がないので、本格冬山には使用できない。
<装備リスト>
上
インナー:オンヨネ ブレステックPP
ベースレイヤー:キャプリーン4(4年くらい前のモデル)
ミッドレイヤー:山と道 アルファアノラック
アウター:モンベル ストームクルーザー
下
インナー:メリノウールのタイツ
パンツ:パタゴニアのパンツ(名前忘れた)
アウター:OMM カムレイカパンツ
足回り
シューズ:アルトラ ローンピーク3.0ポーラテックネオシェル
ゲイター:モンベルのやつ
アイゼン:グリベル スパイダー
靴下:Fits 中厚手
その他
手袋:モンテイン プリズムグローブ
アウター手袋:アクシーズクイン 名前忘れた
アウターのハードシェルは夏山で持っていっているレインウエアで代用。今回の山行では使用しなかった。
前日に急遽、山に行くことを思い立ったため食料の準備がない。仕方ないので家にあった数少ない行動食にできそうな、バナナ一本と干し柿3個、飴玉3個を持って出かけた。
7時半頃、瑞牆山荘の駐車場に到着。辺りはうっすらと雪が積もっている程度。日陰部は凍結しているところもあった。
駐車場から森の中を歩いて登山道へ。誰もおらず静かでよろしい。
少し登ると瑞牆山がお目見え。空がカーンと晴れていて瑞牆山特有の岩が映える。
富士見平小屋に到着。人の気配はなく、営業しているのかしていないのかわからなかった。木々の葉が落ちて、いつもとはまた違う雰囲気が良い。
分岐を金峰山へと進む。ここら辺まではトレイルにうっすら雪が積もる程度で、防水トレランシューズで全く問題なし。気温も歩いている発熱でちょうど良い感じ。
分岐からしばらく歩くと岩の急斜面が2箇所ほど出てくる。ここら辺は雪の下が凍っているところがあり少し滑ったりしたが、両手足を使って強引に登った。
そのうち雪が深くなり、傾斜もきつくなってきたので満を持してスパイダーを装着。最初からつけておけばよかったと思うくらい斜面が登りやすくなった。ちょうど靴の中央部にスパイクがくる形になる。足の置き方を工夫しながら登れば十分効く。
腹が減ったのでバナナを食べる。釘は打てなそうだが、冷えて少し固くなっていた。
富士見平小屋から2時間ほど歩くと砂払いの頭に到着。ここから稜線歩きになる。
稜線上は遮るものが何もないので風がとても強く、寒かった。特にむき出しの顔面が冷え、鼻水垂れ流し状態だった。誰もいないので気にしないが。バラクラバなどがあればよかったと思う。
稜線上は積雪も多く、場所によっては膝下くらいまで埋まるところもあって、かなり体力を消耗した。途中まであったトレース跡が風の影響で消えてしまっていて、ズボズボはまりながら歩いた。
稜線にでてから1時間40分ほど歩いてようやく頂上に到着。夏山では1時間もかからず登れるのだが、思ったよりも時間がかかり体力を消耗した。雪山だと通常のコースタイムは参考にならない。残る食料は干し柿一個と飴玉だけなので大事に食べよう。
頂上にある標識がバキバキに凍っていた。やはり稜線上は寒さと風が厳しいらしい。今回の稜線歩きは天候も良く、距離も短いので問題なかったが、天候が荒れていたり、歩行時間が長くなると現行の装備では寒さが厳しくなると感じた。
八ヶ岳がバッチリ。雲ひとつない青空。空気が澄んでいて、肉眼だと北アルプスまでしっかり確認できた。
富士山もバッチリ。改めて均整のとれた美しさよ。
貴重な食料である干し柿を補給してから下山開始。最近干し柿がマイブーム。控えめな甘さが染み渡る。
稜線上の下山は登りほど苦戦することはなかった。
登山道の雪が少なくなってきたのでスパイダーを外したが、外すのが少し早過ぎたようで、雪面で時折グリップが効かず接地時に滑ることもあった。
1時間半程度で頂上から下山。
今回の山行を装備の面から振り返る。
ウエアについて
気温は測定してないので不明だが0度かもう少し低いくらいだろうか。稜線以外は風もなく、アルファアノラックを着っぱなしで快適だった。ハードシェルとしてレインウエアを持っていったが、着用する機会はなかったので、また今度、悪天候の時に試したい。
稜線は風が強まるので皮膚が出ている箇所、主に顔面が冷たくなった。これにはバラクラバや、ネックウォーマーとビーニーの組み合わせで対応する必要がある。
簡易アイゼン(スパイダー)ついて
今回の積雪量、登山道のコンディションであれば、スパイダーで十分登山可能だった。ただ、急斜面ではつま先部分にスパイクがないため、うまく踏ん張れず登りづらいところもあった。登り方を工夫すれば対応可能。
不意に滑ることもあったので、滑落の恐れがあるところや、ガチガチに凍った急斜面では使用は控えた方が良さそうと感じた。
あくまで慣れた山で、デリケートな場面がないようなところでの使用が基本となる。
ローカットの防水トレランシューズについて
防水部分からの靴内の浸水はなかった。ローカットなのでやはり足首から雪が侵入してくることがあった。ゲイターを装着したが、シューズとの相性が悪いのか、足首に隙間ができて、そこから雪の侵入を許してしまった。ただ靴内がぐしょぐしょになるほどではなく、じんわりと濡れる程度。やはり雪山ではローカットは厳しい。
低山に絞れば冬山でも現行装備で行けることがわかった。ただミドルカットの防水シューズは購入した方が良い。もっと雪深ければワカンかスノーシューもあった方が良いかも。
以上