ネパール エベレスト街道トレッキング【最終回】
ネパール エベレスト街道トレッキング11〜14日目
- トレッキング11日目:ゴーキョ・リ登頂(標高5360m)〜ゴーキョ2泊目(標高4790m)
- トレッキング12日目:ゴーキョ〜レンジョ・ラ(標高5360m)〜ターメ(標高3820m)
- トレッキング13日目:ターメ(標高3820m)〜ルクラ(標高2840m)
- トレッキング14日目:ルクラ〜カトマンズへ帰還
- <簡単なまとめ>
トレッキング11日目:ゴーキョ・リ登頂(標高5360m)〜ゴーキョ2泊目(標高4790m)
本日はゴーキョ・リを目指す。
6時半頃、暗闇の中、ロッジを出発。登り2時間、下り1時間の予定。
すぐに日が差してきた。
8時頃、順調にゴーキョ・リに到着。「リ」というのは頂上という意味。
今日も良い天気。ゴーキョレイクが見下ろせる。
遠くに見えるはエベレスト。ちなみに2日前に登ったチュクン・リはあのエベレストの向こう側にある。カラパタールはここからは見えないが、エベレストの手前にある。
これで、「カラパタール」、「チュクン・リ」、「ゴーキョ・リ」の3つの山の登頂に成功し、本トレッキングの目的を無事果たすことができた。
下山後に朝食としてシェルパシチューをいただく。鶏肉を入れてもらった。あっさりしていて美味しい。
1時間ほど休んだあと、ゴーキョより先にあるフォースレイク、フィフスレイクを目指して歩くことにした。空が青くて気持ちいい。
3時間くらい歩いて到着したフィフスレイク(5番目の湖)。頑張って歩いたわりにただの湖で少しがっかり。
フィフスレイクの近くにあるエベレストのビューポイント。とても綺麗にエベレストが見えた。人の気配も動物の気配も全くない。
話は変わるが、ロッジにあるストーブの燃料は乾燥したヤクの糞なのだ。道端に転がっているヤクの糞を拾ってカゴに詰めている人をたまに見かける。循環型社会。無駄なものなどないのである。
トレッキング12日目:ゴーキョ〜レンジョ・ラ(標高5360m)〜ターメ(標高3820m)
今日は峠越え。当初は来た道を引き返す予定だったが、それも面白くないので、レンジョ・ラを超えてターメを目指すことにした。「ラ」は峠の意味。
これまでの3つの山は不要な荷物をロッジに置いて軽荷で登ることができたのだが、峠越えでは全ての荷物を背負って5360mの高さを登らなければならないので少々きつい。
遠くにゴーキョの村が見える。この日は、トレッキングを開始してから初めての曇りで、時折小雪がちらつくあいにくの天気だった。風も強くてかなり寒かった。
登山では偽のピークによく騙される。目の前に見えるピークを越えると、今まで見えなかった次のピークが現れるのだ。ピークだと思い力を振り絞って登った後に、また登らなければいけないことを知ってがっかりさせられることはよくある。
レンジョ・ラの峠越えでも同じ目にあった。峠のピークと思ったら騙された場所。偽ピークを越えると少しだけフラットなエリアになり、その先には尖った山がそびえる。あれを超えないといけないらしい。疲れた。寒い。ただ寒い。
後ろを振り返る。まだ小さくゴーキョの村が確認できた。
風が避けられる岩陰で、お弁当に焼いてもらったチャパティにピーナツバターを挟んで食べる。チャパティはもちろん完全に冷え切っていた。サーモスに入れておいたお湯が生命線。
10時頃、ようやく峠の頂上に到着。晴れの日と違って、山が荒々しく見える。それもまた良い。
峠頂上からの反対側を望む。ここまでくればあとは下り基調なので楽勝だ。
こんな標高が高くて辺鄙な場所なのにちゃんと階段上に整備されていて素晴らしい。
峠を超えたこちら側はボテ・コシという川沿いを歩く。
12時頃、ルンデという村で昼飯休憩。シェルパシチューをいただく。
放置されていると思われる石小屋。フォルムと佇まいが素敵。
16時頃、ターメに到着。本日はここで宿泊。
宿泊したロッジ。
本日のダルバート。
ここは今までの泊まった中で最悪のロッジだった。
ここのロッジは食堂と部屋が別建物になっていて、チェックインを済ませ部屋で荷物を整理して休憩し、食堂へ移動しようとすると、なぜかドアが開かない。外側から鍵がかけられているようで、近くの窓越しから食堂の窓に向かって出られないことをアピールするも、人の気配がなく誰も気づかない。30分ほど窓際に立って誰かが通らないかを待った末、通りかかった宿屋の親父が気づいて、ようやく外に出れた。
後々に聞くと、風が強かったのでドアがばたつかないよう鍵を閉めたとのこと。いやいや、一言言ってくれ。
翌朝は7時には朝食を食べてロッジを出発したい旨を寝る前に伝えておいた(だいたいどこのロッジでも次の日の朝食メニューと時間を前日に伝えておくシステム)。翌朝の7時前に食堂に入ろうとしたら鍵がかかってて入れない。ん?と思ってノックするも応答する気配が無い。建物の周囲を歩いて窓から中を確認すると、宿屋の親父とおばさんが気持ち良さそうに布団で寝ていた。もう笑ったね。窓をノックし2人を起こすと、朝食は諦めて金だけ払って出発した。
このぐらいのことでイライラしてはいけないよね。
トレッキング13日目:ターメ(標高3820m)〜ルクラ(標高2840m)
今日はトレッキング最終日。カトマンズ行きの空港があるルクラまで歩く。夕方までにルクラに着いて、飛行機のリコンファームをしたい。
朝、ロッジの親父が起きるのを待つ間に朝日が差し込んだ。
標高が低くなるにつれ、森林限界の岩と砂の景色は変わっていき、だんだん里山チックになっていく。
風情ある松?があったり。
マニ石の大群があったり。
ヘリポートがあったり。高山病などで動けなくなったらヘリで救助される。多額のお金がかかるが、保険に入っていれば自己負担は無いらしい。実際トレッキング中はよく上空をヘリが飛んでいた。
9時半頃、久しぶりにナムチェに戻ってきた。
最終日なのでご褒美。ナムチェベーカリーという店でチーズピザをいただく。熱々でめちゃくちゃうまい。朝食を食べなかった分余計にうまい。(ダメ親父よありがとう)
腹が満たされたところで、ルクラまで急ぐ。ナムチェからルクラまでの道はやはり人が多くて閉口。
この時は、あの素晴らしいトレイルに戻りたい気持ち半分、早く街に戻ってシャワーを浴びたい気持ち半分だった。
一時半頃、昼飯休憩。青空の下、ラストシェルパシチューを楽しむ。
15時頃、ルクラに到着。飛行機のリコンファームにも間に合った。明日の朝の便で出発する。
ルクラもナムチェほどでは無いが大きな村で、カフェやパブ、トレッキング用品店などが並ぶ。
世界で一番危険と言われる空港、テンジン・ヒラリー空港。短くて傾斜した滑走路。離陸は傾斜を利用してスピードを出し、着陸は傾斜を利用してスピードを落とす。滑走路の先は谷。風だったり、霧がかかっていたりすると、天候不順ですぐ欠航する。一週間前だと強風で3日連続で欠航していたらしい。
宿泊したロッジ。英語はあまり通じないが人の良いおばさんで、ロッジ自体も綺麗で良かった。
本日のダルバート。安定したうまさ。
トレッキング14日目:ルクラ〜カトマンズへ帰還
朝6時に空港へと向かう。6時半出発の予定。
空港で搭乗手続きなどを済ませて、飛行機を待つ。搭乗手続きの際、顔の日焼けのせいか、ネパール人に間違われる。嬉しいのやら悲しいのやら。
飛行機はカトマンズから到着したら、カトマンズからの乗客と荷物を素早くおろし、カトマンズへ向かう乗客と荷物を素早く詰め替えてすぐさま出発というなんとも慌ただしい感じだった。
飛行機内部。10人くらいしか乗れない狭い機内。機体バランスに影響するのか、右側の男性が左側の女性と入れ替えられてた。
離陸の際は少し緊張したが飛行機は無事離陸してくれたので、あとは30分間のフライトを楽しむだけ。
カトマンズ市街を見下ろす。
あっという間に到着。
これにて、エベレスト街道トレッキングの旅は終了。
<簡単なまとめ>
- オフシーズンだったのでトレッカーが少なく、トレイルが静かで良かった。
- 歩く、食べる、寝るだけのシンプルな生活が心地よかった。
- 里山から8000m峰まで、様々な景色を眺めながらのトレッキングは本当に楽しかった。
- 特に標高4000mを超えて森林限界となるエリアの雰囲気はとても素晴らしい。
- カトマンズ〜ジリまでのバスは過酷。
- ガイド、ポーター無しでも余裕で歩ける。
- ジップロックなどの食べきれなかったご飯を詰める容器があると便利。
おわり