ただいま伐木作業中、原木切りは自給自足の一助になるか?
今、小屋づくりはひとまず中断している。
代わりに、最近は原木切りの仕事を手伝っている。
山に入って、ナラの木を伐木して90cmに玉切りし、積み上げる。玉切りした原木はきのこの栽培に利用される。
仕事としては、伐木して原木を切り出して積み上げるまで。そこから先の原木回収、販売などは他の人の仕事である。
チェーンソーの扱いや斜面での作業にまだまだ慣れていないので、一日作業すると疲労困憊。労働後の飯がうまい。
原木切りは、冬の生業にできたらと思っている。
仕事を覚えて慣れれば一人で作業できるので、自分のペースで働くことができる。たくさん働いても良いし、早めに切り上げても良い。雨なら休んで良い。他人に気兼ねしなくて良い仕事で、自分に合っている。
しかし、
現実はそうアマクない。
仕事として成立させる道のりは遠そうなのだ。
現時点(始めてから一週間くらい)で一日(8時〜17時)平均80〜100本くらいの原木を切っている。原木一本80円らしいので6000〜8000円の売り上げになる。
ここから、ガソリン代、燃料代、設備費などの諸経費をざっくり3000円として差し引くと、手取りは3000〜5000円にしかならず、コンビニでバイトしていた方が稼げてしまう。
コンビニで怪我はしないが、伐木はけがのリスクはかなり高い。コンビニ内は暖かいが冬の山は寒い。
副業として成り立たせるには、一日150本程度以上切らないといけない。
今の1.5〜2倍の量を切る必要がある。
ではどうするか。
そう。業務改善であり、技術向上である。会社員時代とやることは同じだ。
どこに時間がかかっているか、何の作業が苦手か、どうやったら多く切れるかを常に意識して作業に取り組まねばならない。
今はレベル1。薬草を食べながら城の周りのスライムを倒している状態。
伸び代しかないので楽しい。転職ができる状態のレベル20に早くなりたい。
これから頑張れば、木を切る仕事は冬の間に現金収入を得る副業になるだろう。
そして、木を切れるようになれば自給力の向上に繋がる。手に職だ。
人生のとりあえずの目的は自給自足。
食料を自給するために野菜と米を育てる。
暖を取るために、木を切って薪を得る。
家を自給するためにセルフビルド。
電気は太陽光、水は沢水、雨水、井戸水。
ガスの代わりにロケットストーブ。
自給力が高まれば支出は減っていく。
いくら支出が少なくても、現代社会で生きるにはある程度のお金は必要になってくる。
お金で解決できる問題もある。
どのような生活スタイルにしてもお金はある程度稼がなければならない。
ではどのような手段でお金を稼ぐのが自分にとって良いか。
それは、自給自足の延長でできること。
それが農業だったり、林業だったり。
自給自足のため野菜を育てることが仕事につながる。
自給自足のため薪を得ることが仕事につながる。
最近世間でも副業が話題になっている。
稼げる手段が複数あれば、一つがダメになったとしても心配はいらない。
しかし稼げる手段が一つしかないと、嫌なことがあっても辞めるに辞めれない。次第にストレスがたまり、不調になり、健康を害す。とてもリスクが高い。
依存する先は多ければ多いほど良い。リスクはマネジメントしないとね。
投資も分散投資が良いって言うでしょ?知らんけど。
まあ、まずは伐木原木切りレベル2を目指そう。
以上
【基礎】基礎コンクリート打設
今回は、基礎穴にコンクリートを打設する。
コンクリートは、セメントと砂と砂利を1:2:3の割合で練り混ぜて作成する。
基礎穴に作成したコンクリートを投入。厚さ20cmくらいにした。根拠はない。投入後コテで表面を均す。周辺の土がこぼれて混ざったりしてしまったが、見ないふりをした。
コンクリートは、水の配合が少ない方が高強度になる(水セメント比)。
頭にそんな考えがあったので、意識的に水の量を減らしてコンクリートを作成していた。ただ、水の配合が少ないと流動性が乏しいコンクリートになり、作業性が悪くなる。
今思えば、小屋の重量程度で高強度のコンクリートは不要だったかなと思う。ほどほどの流動性にして作業性を高めた方が良かった。そして本当に高強度になっているかは不明。
砂利を投入するととても重くなるので練り混ぜが重労働!水分量が少なかったせいもある。腰にスコップを当てて、押すようにしてスコップの先をコンクリート中に差し込んで混ぜるなど、腕だけでなく身体全体使えるように試行錯誤。
トロ舟に入れられる材料は、舟の容量から、一回につきセメント1/3袋、砂1/2、砂利1袋。12個の基礎穴にコンクリートを打設するため、練り混ぜを延々繰り返す。結局、この作業を6回繰り返した。
長い闘いの末、打設完了!二郎系ラーメンを完食したような達成感。食べたことないけど。
コンクリート打設後は、セメントと砂を混ぜたモルタルで表面を仕上げた。モルタルの練り混ぜはコンクリートに比べればに等しい。
良い感じに仕上がっているように見えたので満足。
コンクリート打設後はブルーシートで養生。コンクリートが強度を発現するまでには日数を要する。
考えているのとやるのでは大違い。コンクリートの練り混ぜは思っていた10倍大変だった。なんでもやってみるものである。
多分これで小屋作りにおける重労働パートは終わった。
続いて束石を設置していく。
【基礎】砕石投入、突き固め
基礎穴が掘り終わったので砕石、コンクリートを投入して束石の土台を作っていく。
砕石購入
基礎穴50cmの内訳は、20cm砕石、15cmコンクリ、5cmモルタル、10cm余りといった感じにしようと思う。根拠は特になく、感覚的に決めた。コンクリートは練り混ぜが大変なのでなるべく少なくしたい。
締め固めに使う砕石はホームセンターに路盤材と称したものが売っているが、一袋20kgで300円とかする。体積でみると1穴に2袋ぐらいは必要と仮定すると、12穴埋めるのに24袋、7000円くらいする。
そこで、砕石はホームセンターではなく、業者から直接購入を試みた。
ネットで調べたところ、車で5分のところに砂利屋があり、近かったので事務所に直接伺ってみた。小さな事務所らしきところにおじさんがいたので、一般向けにも販売しているのか聞いてみたら、一般向けにも売っているとのこと。
しかしそこで扱っている砂利はサイズが小さく、基礎穴で使用するには向かないモノだった。
基礎穴に敷き詰めるのは大小入り混じった砕石が良いらしい。事情を話すと、事務所のおじさんが別の砂利屋を丁寧に教えてくれた。
少し遠くなるが、車を走らせて紹介された砂利屋へ向かうとちょうど良いサイズのRC材が!値段を聞くとなんと0.5㎥で1000円とのこと。思っていたよりも安いことにびっくりしたが、ありがたくここで購入することにした。それにしても安い!
必要な砂利の量は、
12穴×穴面積(0.3m×0.3m)×穴高さ0.2m=0.216㎥
タンパーで突き固めることを考えるとその倍としても0.432㎥
というわけで0.5㎥分購入することにした。だいたい軽トラックの荷台一杯分である。
砂利は見た目以上に重く0.5㎥分の砂利を積載すると、軽トラの最大積載荷重が300kgを超えるかもしれないとのこと。なので、少し少なめの0.4㎥くらいにしてもらった。
少なめといっても、砂利の山からバカでかいバックホーですくい、それを軽トラの荷台に直接落とすだけなので、バックホーを運転するおっちゃんの感覚次第なのだが。
軽トラに砂利を積み込みが終わったので、現場まで運搬だ。
砂利屋から小屋建設地までは上り坂基調なので、300kg積載した軽トラでは全くスピードがでず、どんなにアクセルをふかしても時速30kmがMAXでノロノロと運転。安全第一。
最大積載する時はタイヤの空気圧はしっかり入れておいた方が良い。
砕石ふるい分け
購入した砂利は砂なども混じっているので、ふるいにかけて砂と石に分別。ふるい代わりに底に穴の空いたコンテナに砂利を入れて、両手で持ってゆさゆさ振るう。
砂利を入れたコンテナはとても重く、だんだんと腰にダメージが蓄積されていく。
コンテナに残った砂利を穴に投入してタンパーでしっかり突き固める。大小入り混じった砂利がうまく隙間を埋めてくれる。
タンパーによる締め固め
タンパーによる突き固め作業は、腕だけでやるのではなく突き固める瞬間に腰を落とすと力がよく伝わることを発見。コツを掴んでからはペースが上がった、が時間とともに疲労が蓄積しペースはみるみるうちに落ちていった。ヨイトマケ。
疲れて嫌になってきたので、7穴の砂利敷き詰めが完了した時点で翌日に持ち越すことにした。突きかため具合を確かめるため砂利の上に立ってみると、かなりしっかり突き固まっているようだった。
翌日、残りの5穴を片付ける。山盛りだった砂利もだいぶ減ってきた。
後々になって気づいたが、砂利はコンパネかブルーシートの上に下ろすべきだった。地面に直では地面際の砂利がすくいづらくてしょうがない。
順調に締め固め作業が進み、12穴全て完了!砕石締め固め作業は思っていたよりも大変だった。基礎穴の面積が広ければその分砂利の量も多くなり、作業はさらに大変になる。欲張って大きな穴にしなくてよかった。
ふるいにかけられた砂が大量に余ってしまう。コンクリートの練り混ぜにでも使おうか。
お次は砂利の上にコンクリートを打設、束石の設置を行う。
【基礎】人力で50cm深さの穴を12個掘る
小屋建設作業は遅いながらも進んではいる。が、ブログの筆が乗らず、更新が遅れている。筆が乗らないのは他にもやることがあり、ブログを書く時間が無いわけではないが、優先順位が低いため後回しとなっている。
というわけで、今書いている記事は1ヶ月ぐらい前の出来事をご承知おきいただきたい。
さて、基礎位置を示す水糸張りが終わった。
水糸の交点直下に独立基礎を築くための基礎穴を掘る。掘る穴の数は12個、深さは凍結深度を考慮して50cm。穴の広さは沓石サイズを考慮して30cm×30cmくらい。全て人力掘削。
凍結深度とは、冬場の寒さで地面が凍る深さで、地盤が凍ると膨張して地面を押し上げて基礎を持ち上げてしまう。従って基礎穴は凍結深度よりも深く掘らなければならない。
北杜市役所のホームページで凍結深度を確認すると、基準値は設けておらず、建築地の立地条件等によりご判断くださいとのこと。
近辺の工務店などの情報によると、北杜市の凍結深度は50cmくらいとのこと。もちろん地域や標高によってその値は変わってくるが、掘削深さは50cm強を目安とした。深く掘り過ぎても、後の作業で必要な砂利投入量が増えたりするのであまり深く掘り過ぎたくはない。
スコップの幅がだいたい30cmなので、スコップ一つ分の幅で四角に掘り進めた。
掘った穴の深さを計測。50cm強掘れているので良し!
排土は抜根で空いた穴埋めに。
1日がかりで全ての穴を掘り終わる。
抜根とは違い何も考えずスコップを突き刺すだけなので、意外とラクな作業。思っていたよりもということで、12個も穴を掘り続けるともちろん疲れる。
水糸の直下に穴があるかを確認。
作業後は掘った穴に雨がたまらないようにブルーシートで養生する。
穴掘りは繊細な作業ではなくただ無心で掘ればいいだけなので、神経を使わないので気が楽だ。
日が暮れるのが早く、周囲の森林のせいで3時頃には土地全体に日が翳り、寒くなってくる。
次は基礎穴への砕石敷き詰め、コンクリート打設。
【基礎】大矩づくり、水糸張り
遣り方が終わったので、基礎位置を出すための水糸を張っていく。
まずは、直角を出すための道具である大矩作りから。
大矩作り
<必要な道具、材料>
・ある程度の長さの板切れ3枚
・墨つぼ
・ビス
・水糸
正確な直角を出すには三平方の定理を活用する。
板切れを3枚用意し、a^2+b^2=c^2となるような長さにカットする。
ここでは、120cm、160cm、200cmとした。
カットした板の中心に墨つぼで印をつける。
初めて墨つぼを使ってみたのだが、綺麗な一本線を引くのがなかなか難しい。テンションが足りないのか、ぼやけた線になってしまう。
下手くそすぎて自分でも驚く。自分の信念が反映されるかのようなブレブレの線。達筆な一の字はこぼした墨を拭いたもの。
中心線を描いたら材を組み立てる。まずは斜辺を除く2本の板をビス1本で固定。1本で固定することによって、板が回転するので角度を調整することができる。角度を決めた後に2本以上のビスでしっかり固定する。
続いて斜辺板を取り付ける。板と板を重ねるところに水糸を張って、中心線が重なった場所で板同士をビスで固定。
長さを確認したら出来上がり。意外に苦戦し、2時間ほどかかった。果たしてこの調子で小屋は本当に作れるのだろうか?
道具が揃ったので水糸を張っていく。
水糸張り
<作業手順>
・基準線となる水糸を張る(今回は南北方向を基準線とした)
・その基準線と直角になる水糸を大矩を使って張る
・直角な2辺の水糸から、束石を設置する位置までの距離を測る
・計測した距離を目安に、束石設置箇所に交差する水糸を張る
まずは南北方向に基準線の水糸を張る。遣り方を設置する時に方位を測っていなかったので、このタイミングで方位を測ったら西向きに17°もずれていた(iphoneのアプリにコンパスがあることに気がつかなかった)。
17°ずらして水糸を張ろうとすると遣り方の範囲内から飛び出してしまうので、7°くらいで妥協することに。セルフビルドは妥協の連続である(多分そんなことはない)。
基準線と直角になるように東西方向に水糸を張る。
直角の確認には先ほど作成した大矩を使う。水糸の下に大矩を置いて、真上からみて水糸と大矩の墨線が一致するように、東西方向水糸を動かして角度を調整。
各方向から水糸と墨線が一致しているかを入念に確認。たぶん大丈夫そう。
水糸は輪っかを作って、ビスに引っ掛けた。こうするとあとで取り外しが容易になる。長い距離だと水糸がたわんだりするので、水糸はかなりテンションを効かせた方が良い。
張られた水糸2本を基準に、束石を設置する位置までの距離を測る。計測した距離を水糸に印をつけてそれを元に、そのほかの水糸を張っていく。
長さを確認するためメジャーを使うが、端を押さえてくれる人がいないため四苦八苦。ただ長さを測るだけの作業がこんなにも歯がゆいとは。
解決方法として、交点直下にブロックを置いてメジャーの爪を引っ掛けた。また、計測距離が長いとメジャーがたわむので、間にもブロックを置いてたわまないように対処。多分数ミリは確実にずれているだろう。
束石は12個設置するので、水糸を南北方向に4本、東西方向に3本張る。
真上からみた交差する水糸。多分直角。交差する直下に独立基礎を作る。
基礎は作ってしまったらやり直しはできないので、慎重な作業が続く。慎重にやっている割には、やり方が悪いのか精度が低さが気になって仕方がない。
作業をするたびに頭で考えているだけでは見えなかった課題がどんどん出てくる。課題を解決しながら作業を進めるのは思っていたよりも大変だ。もっとスムーズに作業が進むと思っていたが、自分の能力を過信していたようだ。ナメテーター。
ただ、目の前の課題を片付けて行けば前に進んでいることは確かである。ローマは一日にして成らず。
お次は穴掘り。
2018.12.21 初冬の金峰山をローカット防水トレランシューズとスパイダーで登ってみた
冬になり寒さが厳しくなると体を動かすのが億劫になる。山にもしばらく行っていない。
北杜市でも今年何度か雪が降り、八ヶ岳、甲斐駒ケ岳、金峰山などの近辺の山頂付近は白く輝くようになった。
今年こそ冬山をと思うが、装備を揃えるのにコストがかかること、寒いのが嫌いなこと等の理由でまだチャレンジできていない。
いきなり本格装備を揃えるのはちとハードルが高い。高い目標をクリアするには小さい目標を設定して順々にクリアしていくのが王道だ。
冬山登山のファーストステップとして、今所有しているアイテムで、様子見冬山登山をしてみることに。もしかしたら寒くないかもしれないし、雪も大したことないかもしれない。百聞は一見に如かず。
様子見冬山登山の対象として選んだのは金峰山。家から近いっていうのが主な理由。冬山登山入門で有名な北八ヶ岳でもよかったが少し遠い。せっかく行ってダメでしたって戻ることになったら嫌なので。金峰山なら家から車で20分とかからず登山口に取り付ける。
冬山に必要な装備、それはアイゼン、ピッケル、ゲイター、ウインターシューズなどがある。
アイゼンは持っていない。アイゼンを装着できるウインターシューズもない。が、簡易アイゼンはある。
ピッケルは低山であればなくても行けそう。
ゲイターはモンベルの短いやつがある。
靴は、アルトラのトレランシューズしかない。しかし、所有しているアルトラのトレランシューズは、ローカットであるが防水性があるので雪山でも有効だと思う。
この足回り装備で初冬の金峰山に臨む。ダメそうなら途中で引き返そう
ちなみに、簡易アイゼンは夏の北アルプスの残雪対策の保険として買ったグリベルのスパイダー。ペア155gと軽量で携帯性も良い。つま先やかかとに爪がないので、本格冬山には使用できない。
<装備リスト>
上
インナー:オンヨネ ブレステックPP
ベースレイヤー:キャプリーン4(4年くらい前のモデル)
ミッドレイヤー:山と道 アルファアノラック
アウター:モンベル ストームクルーザー
下
インナー:メリノウールのタイツ
パンツ:パタゴニアのパンツ(名前忘れた)
アウター:OMM カムレイカパンツ
足回り
シューズ:アルトラ ローンピーク3.0ポーラテックネオシェル
ゲイター:モンベルのやつ
アイゼン:グリベル スパイダー
靴下:Fits 中厚手
その他
手袋:モンテイン プリズムグローブ
アウター手袋:アクシーズクイン 名前忘れた
アウターのハードシェルは夏山で持っていっているレインウエアで代用。今回の山行では使用しなかった。
前日に急遽、山に行くことを思い立ったため食料の準備がない。仕方ないので家にあった数少ない行動食にできそうな、バナナ一本と干し柿3個、飴玉3個を持って出かけた。
7時半頃、瑞牆山荘の駐車場に到着。辺りはうっすらと雪が積もっている程度。日陰部は凍結しているところもあった。
駐車場から森の中を歩いて登山道へ。誰もおらず静かでよろしい。
少し登ると瑞牆山がお目見え。空がカーンと晴れていて瑞牆山特有の岩が映える。
富士見平小屋に到着。人の気配はなく、営業しているのかしていないのかわからなかった。木々の葉が落ちて、いつもとはまた違う雰囲気が良い。
分岐を金峰山へと進む。ここら辺まではトレイルにうっすら雪が積もる程度で、防水トレランシューズで全く問題なし。気温も歩いている発熱でちょうど良い感じ。
分岐からしばらく歩くと岩の急斜面が2箇所ほど出てくる。ここら辺は雪の下が凍っているところがあり少し滑ったりしたが、両手足を使って強引に登った。
そのうち雪が深くなり、傾斜もきつくなってきたので満を持してスパイダーを装着。最初からつけておけばよかったと思うくらい斜面が登りやすくなった。ちょうど靴の中央部にスパイクがくる形になる。足の置き方を工夫しながら登れば十分効く。
腹が減ったのでバナナを食べる。釘は打てなそうだが、冷えて少し固くなっていた。
富士見平小屋から2時間ほど歩くと砂払いの頭に到着。ここから稜線歩きになる。
稜線上は遮るものが何もないので風がとても強く、寒かった。特にむき出しの顔面が冷え、鼻水垂れ流し状態だった。誰もいないので気にしないが。バラクラバなどがあればよかったと思う。
稜線上は積雪も多く、場所によっては膝下くらいまで埋まるところもあって、かなり体力を消耗した。途中まであったトレース跡が風の影響で消えてしまっていて、ズボズボはまりながら歩いた。
稜線にでてから1時間40分ほど歩いてようやく頂上に到着。夏山では1時間もかからず登れるのだが、思ったよりも時間がかかり体力を消耗した。雪山だと通常のコースタイムは参考にならない。残る食料は干し柿一個と飴玉だけなので大事に食べよう。
頂上にある標識がバキバキに凍っていた。やはり稜線上は寒さと風が厳しいらしい。今回の稜線歩きは天候も良く、距離も短いので問題なかったが、天候が荒れていたり、歩行時間が長くなると現行の装備では寒さが厳しくなると感じた。
八ヶ岳がバッチリ。雲ひとつない青空。空気が澄んでいて、肉眼だと北アルプスまでしっかり確認できた。
富士山もバッチリ。改めて均整のとれた美しさよ。
貴重な食料である干し柿を補給してから下山開始。最近干し柿がマイブーム。控えめな甘さが染み渡る。
稜線上の下山は登りほど苦戦することはなかった。
登山道の雪が少なくなってきたのでスパイダーを外したが、外すのが少し早過ぎたようで、雪面で時折グリップが効かず接地時に滑ることもあった。
1時間半程度で頂上から下山。
今回の山行を装備の面から振り返る。
ウエアについて
気温は測定してないので不明だが0度かもう少し低いくらいだろうか。稜線以外は風もなく、アルファアノラックを着っぱなしで快適だった。ハードシェルとしてレインウエアを持っていったが、着用する機会はなかったので、また今度、悪天候の時に試したい。
稜線は風が強まるので皮膚が出ている箇所、主に顔面が冷たくなった。これにはバラクラバや、ネックウォーマーとビーニーの組み合わせで対応する必要がある。
簡易アイゼン(スパイダー)ついて
今回の積雪量、登山道のコンディションであれば、スパイダーで十分登山可能だった。ただ、急斜面ではつま先部分にスパイクがないため、うまく踏ん張れず登りづらいところもあった。登り方を工夫すれば対応可能。
不意に滑ることもあったので、滑落の恐れがあるところや、ガチガチに凍った急斜面では使用は控えた方が良さそうと感じた。
あくまで慣れた山で、デリケートな場面がないようなところでの使用が基本となる。
ローカットの防水トレランシューズについて
防水部分からの靴内の浸水はなかった。ローカットなのでやはり足首から雪が侵入してくることがあった。ゲイターを装着したが、シューズとの相性が悪いのか、足首に隙間ができて、そこから雪の侵入を許してしまった。ただ靴内がぐしょぐしょになるほどではなく、じんわりと濡れる程度。やはり雪山ではローカットは厳しい。
低山に絞れば冬山でも現行装備で行けることがわかった。ただミドルカットの防水シューズは購入した方が良い。もっと雪深ければワカンかスノーシューもあった方が良いかも。
以上
【基礎】縄張り、水盛り、遣り方
抜根が終わったので、これからいよいよ小屋づくりが始まる。
まずは基礎づくりから。
基礎の形式は独立基礎とする。小屋面積は3640mm×2730mmとし、束石を12個置く予定。
基礎をつくる準備段階として「遣り方」を設置していく。
この作業は、建設位置の確認、基礎の位置出し、水平出しなどに必要。
<必要な道具、材料>
・角杭 10本
・貫板 2m×9本
・バケツ
・ホース
・ハンマー、掛矢
・ビス38mm
・メジャー
縄張り
縄張りとは、これから建てる建物の位置を大まかに決める作業のこと。
地面に縄を張って、建物の面積や位置関係を確認する。
めんどくさいので省略した。
建設予定の小屋の面積は3640mm×2730mmなので、その一回り外側に角杭を打設する。
貫板は2mの長さで売っていたので、材料を余計にカットしなくて良いように、長辺方向は5m、短辺方向は4mの長さで杭位置を決めた。
建物の向きは東西南北を揃えるのが基本と思うが、コンパスを持っていなかったため、太陽の位置から適当に決めた。 (phoneにコンパスアプリがあることをあとで知る。)
本来はこの段階から、三平方の定理を使って長さと直角をしっかり計測したほうが良いらしいが、面倒臭くてメジャーと目測で位置決めをした。
今思えば、いろいろな作業を適当にやりすぎである。
4隅の杭を打設したので、周囲に張り巡らす貫板を置いてみる。だんだんとイメージが湧いてきてちょっぴり嬉しい。
貫板を角杭に打ち付けるため、貫板の切れ目に角杭を打設。
この角杭は今後の基礎づくりの基準となるため、一直線かつ垂直に打設するのが良いらしい。
作業している時はそんなことはつゆ知らず、だいたいまっすぐかなってレベルで適当に打設したが、遠目に見るとだいぶ曲がっている。やり直すのも面倒臭いので、そのまま作業を進めることにした。(水平器を使えば鉛直も確認できることをあとで知る。)
水盛り
全ての杭を打設し終わったら、水盛りと呼ばれる、角杭に基準となる高さの印をつける作業をする。
バケツに水を入れる
↓
バケツから細いホースを伸ばす
↓
打設した杭までホースを伸ばし、水の高さのところに印をつける
水が平らになると書いて水平。ホースの先の水位はバケツの水位となるので、各角杭に地面の高さに依存しない、同じ高さの印をつけることができる。
ホースを引っ張って、杭に沿わせるとホース内の水が一定の高さを示す。この水位に合わせて杭に印をつけていく。真横から確認するとズレが少ない。
原始的な方法だが精度は高く、確認のため3週計測したが、問題なく同じ高さを示した。(当たり前だ)
遣り方
全て杭に水平の印をつけ終わったら、今度はつけた印に合わせて貫板を杭に取り付ける。貫板の取り付けはビスで固定した。
貫板の水平を確認しながら、杭にビスで留めていく。
角杭を適当に打ったせいで、貫板と平行になっておらず、大きな隙間ができてしまった。(適当な作業の弊害が少しづつ蓄積されている感)
そんな時は強引にクランプで固定してどんどんビス留めしていく。独りで作業する場合、クランプは必須アイテムである。
全周の貫板を設置したあと、対角方向にも板を渡して水平を確認してみた。適当にやっている割には水平になっていたので満足。
今後この遣り方が基準になるので、気休め程度だがずれないよう筋交いを四隅に打設。筋交いは杭同士を結合しないと意味なさそうだが、資材がなかったので貫板のところで固定した。
遣り方完成。一気に現場感が出てきた。
立派な工作物が出来上がって満足だが、作業がいい加減なせいで精度はすこぶる悪い。高い精度を求めるには技術と慣れが必要。作るのは小さな小屋なので、高い精度は必要ないと思いたい。
素人がする作業なので、ある程度の妥協は必要。
パレートの法則というものがある。成果の8割は2割の時間で生み出される。残り2割の成果を求めるから膨大な時間が必要となるのである。
ただの小屋に100%の精密さは不要だ。対象物に見合ったレベルの技術を選定するのも技術である。
という言い訳を自分に聞かせながら作業した。